445『季論21』10冬

書誌情報:本の泉社,240頁,本体価格1,000円,2010年1月20日発行

季論21 2010冬号

季論21 2010冬号

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特集と小特集に惹かれ,初めて購入した(2010年冬,第7号)。

  • 特集 日本近代と「坂の上の雲
    • 堀尾輝久・宮地正人・吉田傑俊「【創刊1周年記念シンポジウム】生きた思想とは何か――近代啓蒙思想と自由民権――」
    • 松本三之介「「明治の精神」は何を語るか」
    • 原田敬一「「坂の上の雲」と日本近代」
    • 新船海三郎「司馬遼太郎にとっての「坂の上の雲」」
    • 李修京「植民地・挑戦の「御用英字新聞」」
  • 小特集 大学で人は育つか
    • 山口和孝「国立大学ガバナンスの構造と本質」
    • 池内了「法人化以後の国立大学」
    • 斎藤敏康「立命館大学の改革をめぐる断想」

坂雲と司馬,法人化以後の国立大学,立命館大学,それぞれへの批判的論稿だ。坂雲・司馬への言及は,中村政則本(中村政則著『『坂の上の雲』と司馬史観』→http://d.hatena.ne.jp/akamac/20090920/1253432925)と重なるところが多い。国立大学論は法人化以後の問題点の指摘にとどまることなく,高等教育への目配りがある。
立命館大学論は,拡大路線の光と影を論じ,批判的視点とともに「民主的刷新」の可能性を冷静に分析していた。