470常見陽平著『就活難民にならないための大学生活30のルール』

書誌情報:主婦の友社,190頁,本体価格1,000円,2010年5月10日発行

就活難民にならないための大学生活30のルール

就活難民にならないための大学生活30のルール

  • 作者:常見 陽平
  • 発売日: 2010/04/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

  • -

学生時代の充実度は就活にも人生にも大きく影響する,はそのとおりだ。「内定長者」と「無い内定学生」との「就活格差」は多くは大学生活に起因している。大学での学び,サークル,アルバイト,人間関係,趣味,社会人になるための心構え,に整理し,人気企業に内定した18人の大学生の学生生活を紹介している。6項目で30のヒントは就活に収斂しない普遍性をもっている。
「学生生活においては法に触れること,人の道に反すること,人に迷惑をかけること以外」(79ページ)はやってみようは大いに賛成だ。化粧の仕方,お辞儀の仕方,ノックの仕方,喋り方などが就職指導になっている一方で,入学した直後から4年あるいは6年先の進路を意識させられるキャリア教育の圧迫も強まっている。しかし,「就活だけがんばった学生なんかいらない!」(帯の惹句)のだ。
青臭く理想を語れ,オトナたちにナメられるな,結婚式と葬式に来てくれる仲間を増やせ,たくさんの良い出会いをしろ,たくさん本を読め,日々の感情を記憶しろ,試行錯誤をしろ,生意気であれ,自分の言葉で自分を語れ,自分の道を強く進め(「おわりに」から)は別にサラリーマン(ウーマン)になることを勧めているわけではないだろうが,就活の勝ち組は人気企業に内定をもらうことなのだろうか。
大企業(人気企業)だけでなく,中小企業だっていい。NPOで活躍するのもありだろう。企業社会で身を粉にするだけが人生の選択肢ではないはずだ。法に触れず,人の道に反せず,人に迷惑をかけるどころか意味のある進路もある。