711石渡嶺司著『大学の思い出は就活です(苦笑)――大学生活50のお約束――』

書誌情報:ちくま新書(949),238頁,本体価格780円,2011年3月10日発行

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過熱した就活に棹さす就活本の氾濫がようやく沈静化したようだ。
大学の学びは社会人生活に役立つ。大学の学びが面白くなく無意味なことはない。大学の学びは就活に大いに役立つ。「ふつうの学生」を念頭において大学生活50(実際は49)のヒントをあげている。共著本『アホ大学のバカ学生――グローバル人材と就活迷子のあいだ――』(関連エントリー参照)に続く大学生活本である。
入学式前後,学び(本書では「勉強」),サークル活動,居場所・人間関係,アルバイト,ネット・ケータイ,落とし穴,再受験・中退・転部,資格・留学・読書,就活関連と学生生活全般の話題を取り上げている。いまなら各大学で独自で作成することが多い新入生セミナー用テキストの項目がずらりと並んでいる。
不真面目くさって真面目に論じる著者の書きぶりは本書でも変わっていない。新入生:大学生活がよりよくなるアイディア,大学2〜4年生:就活で求められるものと大学生活の見直し方,親:学費や仕送りを無駄にさせないためにできること,教職員:教え子の人生を豊かにするための知恵,社会人:新卒社員のムッとする言動の背景(以上,帯の惹句から)という親切な読者へのヒントはウソではない。
今年は新入生セミナーを担当することになっている。新入生に読んでもらおうと思っている。