書誌情報:はるか書房発行・星雲社発売,201頁,本体価格1,500円,2010年4月5日
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学校勉強能力と学校生活能力に長けることは社会生活の一部でしかない。稼ぐ能力,家事能力,心身メンテナンス能力,親密な人とのコミュニケーション能力,社会人としてのコミュニケーション能力,チャレンジ力,忍耐力,熱意と根気など「実際に生活課題と関わり,他の人々と関わらなければ,そうした能力を獲得していくことはできない」。
男や女にこだわりつつ友だちづきあい,容姿とモテ,セックス,恋愛,家族,仕事と将来など若者たちが直面する問題とどう向き合うか。ノイズ溢れる社会のなかで,迫害的他者でもなく依存的他者でもない関係性を作っていくためには,平面的な世界ではない「立体的で複数的な世界」や居心地のいい場所だけではない「タテ・ヨコ・ナナメの社会的ネットワーク」が必要だ。
他者とのつながりと社会的活動のなかで人はつねに成長していく。「大人になるとは,生きることの楽しさも辛さも含めて,人生を楽しんでいくこと」だ。あらためて大事だと思ったことは,意外に狭い交友関係しかもっていない若者に,異なる世界や考え方が人の数ほどあることを知ってもらうこと。大学の学びの意味にもかかわってくるジェンダー論に特化しないジェンダー論が新鮮だった。
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