谷口功(熊本大学学長)「「旧六」国立大,連携さらに」(日経,2013年3月11日付)が目に飛び込んできた。
「旧六」が包括連携協定「国立六大学連携コンソーシアム」を結び(3月6日),「世界的水準の独創的な研究拠点の創出,グローバル社会のリーダーとなる人材の育成,地域社会への貢献,国際活動の推進のための具体的な取り組み」をするという。旧帝大との格差を縮め,大学改革への社会的要請に応えるためだとその理由を書いている。国立六大学国際連携機構を設立する予定もある。
「旧六」とは北から順に,新潟大学,千葉大学,金沢大学,岡山大学,長崎大学,熊本大学を指す(詳細は関連エントリー参照)。「国立大学の世界には,受験偏差値とは異なる”序列”がある」(記事の「ポイント」)。旧六は「旧帝大に次ぐ位置につける総合大学だが,存在感は必ずしも大きくなく,全国的な知名度も有力私大の後じんを拝している感が否めない」(同上)と解説し,谷口稿も「一般的に各大学の国外における知名度は十分とは言い難い」と書く。解説とは違って「国内外」とは言っていない。
旧帝大や旧六のような戦前の高等教育機関の「格付け」に由来する「連携」は,旧高商や旧高工間の「連携」(定期的な学部長会議として現在も続く)から人文系,教員養成,工や理といった大学横断的な「連携」,地域間「連携」まである。
「旧六」の連携コンソーシアムは,大学間の連携強化や機能別再編という文科省(=国)の意図を汲んだ対応とはいえそうである。
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