書誌情報:白桃書房,x+266頁,本体価格3,500円,2012年7月6日発行
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観光を研究対象にした観光マーケティング論が本書の主題である。観光行動を観光地アメニティに焦点を合わせ観光地の魅力を分析している。
観光地アメニティの要素は,農水畜産物,ご当地料理,工芸品や工業製品,土産物,名所や旧跡,歴史・伝統,町並み・景観,自然,気候・風土,イベント・祭り,郷土芸能,宿泊施設,温泉,テーマパーク・動物園など娯楽施設,百貨店・商店街など商業施設,美術館・博物館など文化施設である。国内旅行者と外国人旅行者(本書では「外客」)はこれら求めるアメニティの要素が異なっている。また,観光客の地域集中度はきわめて高く,地区数で11%にすぎない観光客シェア上位5地区(千葉,北海道,沖縄,東京,京都)で観光客の42%を占め,地区数を20%に広げれば56%が集中するという。
初回訪問と観光アメニティとの相関,再訪問意向と媒体との相関,観光商品の分析,需要創造型アメニティの開発など観光マーケター(企業,行政などの組織や観光振興業務担当者)への提言が盛り込まれている。観光研究が観光アメニティや旅行者と観光地の関係性をどう扱ってきたのかという視点からのサーベイは,導入としても理論編としても読める。
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