110水谷,惜しくも準優勝(卓球ワールドツアー・ドイツオープン)

水谷隼は,準々決勝でスウェーデンのイェレル(Gerell Par, WR46)を 4-2 (11-8, 6-11, 11-4, 8-11, 11-9, 11-8) で,準決勝では今大会旋風をおこしたメンゲル(Mengel Steffen, WR100)を 4-0 (11-4, 11-5, 12-10, 11-4) で降し,決勝に進んだ。
ドイツのオフチャロフ(Ovtcharov Dimitrij, WR6)との決勝では,随所に見応えあるラリーを展開し,最後までどちらが勝ってもおかしくなかった。最後はオフチャロフの強打に屈し,3-4 (9-11, 11-5, 11-9, 5-11, 11-6, 2-11, 9-11) と一歩届かなかった。3-2 とリードしたあとやや受け身になったのが悔やまれる。水谷は今大会バックブロックや下がってのロビングに加えて,積極的にフォアの強打を繰り出していた。
準決勝で水谷に負けたメンゲルは地元の声援を受け,予選勝ち上がりながらすばらしい結果を残した。予選リーグでは中国の若手 Yu Ziyang(漢字表記不明,WR210)に勝ち,一回戦でロシアのシバエフ(Shibaev Alexander, WR34)に 4-3,二回戦で中国の若手・周緂(Zhou Kai, WR178)に4-2,三回戦で王皓(Wang Hao, WR5)に4-3,準々決勝で韓国の趙彦来(Cho Eonrae, WR23)に 4-0 と,中国の若手(国際大会へは初参加ながらジュニアで活躍し,次の中国卓球を背負うと期待されている)を除いてすべてランキング上位者を撃破した。
去年のジャパンオープンで優勝し一気に国際デビューした塩野真人を彷彿させる活躍だった。長いリーチと手首を生かしたファオハンドの強打,堅実なバックブロックが光っていた。世界卓球選手権東京大会のドイツ代表には選ばれていない。
そのメンゲルに3回戦で負けた王皓は,若手の呂翔(Lyu Xiang)と組んだダブルスで優勝し,シングルスでの不覚の鬱憤を晴らした結果となった。