955経済産業省監修『ホワイト企業――女性が本当に安心して働ける会社――』

introduction

書誌情報：文藝春秋，213頁，本体価格1,200円，2013年11月30日発行

ホワイト企業 女性が本当に安心して働ける会社

ホワイト企業 女性が本当に安心して働ける会社

  • 発売日: 2013/11/29
  • メディア: 単行本

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経済産業省は2012年度からホワイト企業を100社選んで認定する「ダイバーシティ経営企業100選」事業を始めた。ダイバーシティ経営企業とは，女性，高齢者，障がい者，外国人など多様な人材を採用し能力を発揮させて経営成果につなげている企業のことである。2013年3月の表彰式では初年度の受賞企業として43社を発表した。
本書はそのなかから女性の採用や活用に力を入れている25社を紹介している。大企業だけでなく中小企業も含まれている。インタビューやキャリアチャート，スケジュール付きの8社は，資生堂，サントリーホールディングス，日産自動車，りそな銀行，NTTデータ，東芝，第一生命保険，グリーンライフ産業である。
ブラック企業を告発・批判するだけでなく，ホワイト企業を積極的に紹介していこうという試みはこれから働こうという若者に希望を灯すものではある。ブラック企業を論じる時，そこにはまともな労働組合がないと指摘されることが多い。ホワイト企業を論じる時にも雇用や労働条件の改革にどのような取り組みがあったのかの分析は必要だろう。経営トップや経営陣がひとり問題意識をもっているがゆえにホワイトであるとはかぎらないからだ。
女性活用が経営戦略に不可欠であるとの視点からのホワイト性は意外にグレーだったりする。