210水谷,石川ともに連覇(卓球全日本選手権)

今日最終日を迎えた全日本選手権大会の決勝を NHK Eテレでライブ中継で観た。BS1 ではダブルス決勝(昨日),シングルス準決勝(今日)も珍しく中継していたようだ。
男子シングルス決勝は,水谷が神巧也(明治大学)に 4-0 (11-8, 11-9, 11-6, 11-8) で勝ち,2年連続7回目の優勝となった。9年連続で決勝に進出しており,男子卓球は当分水谷の時代が続く。
挑戦者の神の試合の組み立ては良かった。フォアの強打を武器に攻めの姿勢がはっきりしていた。8-4とリードしていた第1ゲームは連続7ポイント,第2ゲームでも5連続ポイント,第3ゲームでも4連続ポイントを2回,最終ゲームも中盤の6連続ポイントと要所で早い攻めを繰り出す水谷に一蹴された。水谷は多くの国際試合を経験するなかで中国選手のような早くて強いボールを意識したプレーを身につけている。スーパーシードのため最初の試合となった4回戦で笠原弘光 (協和発酵キリン)に 4-3 (11-6, 6-11, 8-11, 5-11, 11-5, 12-10, 12-10) と大逆転で接戦をものにしたのが大きかった。
女子シングルス決勝は,石川が森薗美咲(日立化成)に 4-1 (11-7, 2-11, 11-8, 11-5, 11-7) と勝ち,2年連続3回目の優勝となった。石川はフォア前へのサービスとロングサービスを織り交ぜ終始主導権を握っていた。森薗はレシーブが単調で石川に3球目攻撃を狙われていた。
石川の最大のピンチは前田美優(希望が丘高)との準決勝だった。フォアに振られバックを攻められる展開からバック対バックに持ち込んでなんとか 4-3 (11-9, 8-11, 7-11, 11-13, 11-3, 11-6, 11-9) と逆転して決勝に進んでいた。
石川は混合ダブルス,女子ダブルスでも吉村真晴(愛知工業大学),平野早矢香ミキハウス)とのペアで優勝し,山泉(伊藤)和子以来54大会ぶりの3冠となった。男子では82年,83年に齋藤清が達成しているという。
今大会は,小学5年生の張本智和がジュニアでベスト8に入り,女子ではジュニアで中2の伊藤 美誠が優勝し,女子シングルスでは伊藤と平野美宇(中2)がベスト8入りした。高校生も男女とも上位に入る活躍をみせており,着実に底上げが進んでいる。他方,30代,40代のベテラン選手も出場しており,20代前半までで選手は終わりの競技スポーツが多い中で,卓球は異彩を放っている。