1217藤澤志穂子著『出世と肩書』

書誌情報:新潮新書(708),223頁,本体価格760円,2017年3月20日

出世と肩書 (新潮新書)

出世と肩書 (新潮新書)

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社長や学長,大臣や知事など組織のトップは分かりやすくも,ピラミッド構造の肩書きは外部からは意外に分かりづらいもの。大手広告代理店では社内等級とは別に名刺に書く肩書きをマネージング・○○○・ディレクターとかシニア・○○○・ディレクターとか一定の範囲内で選べる制度があるとのこと。金融機関もなにかとしめしのつく肩書きが名刺にあることが多い。
官僚のトップは事務次官であり,平均年収は約2,300万円である。次官,局長,局次長,課長,参事官,秘書官などの役職は明治時代に作られそのまま現在に引き継がれている。事務次官よりも上の官僚がいて,駐米,駐英大使だそうで次官経験者が就任する。
官公庁肩書きが本書の半分弱を占め,民間企業,政治家,勲章,外資系は付け足し感がある。現役新聞記者による出世をめぐる人間模様は1時間で読める。
さんざん肩書を書いて名刺を捨てよ,組織の名前なしで人間関係を築けのオチはうまく落ちていない。