581馬龍と孫穎莎,ともに初優勝(卓球ワールドツアー・ジャパンオープン)

男子シングルスの準決勝の2試合,馬龍(MA Long)対許しん(XU Xin),水谷対樊振東(FAN Zhendong)はともに見応えのある試合だった。許が第2ゲームをとっていれば,また水谷も第3ゲームまでに1ゲームをとっていれば,試合の展開は違ったはずだ。水谷は樊のチキータに対応していた。樊は格下の相手にたいしては一発で仕留められるチキータを多用する。それをさせなかった水谷は中国選手にリスペクトされる選手ということだ。世界選手権での「張本ショック」から見事回復した。馬対許の台上処理の駆け引きは前半の見所だった。3球目か4球目で決まる緊張感はさすが世界トップレベルである。
決勝の馬対樊は馬の貫禄勝ち。馬はワールドツアー大会36回のファイナリストで24回目の優勝を飾った。樊は12回のファイナリストで4回目の準優勝。そのうち3回,馬に負けている。かつての馬が王皓(WANG Hao)にどうしても勝てなかったように,樊にとって超えなければならない存在が馬だ。
女子シングルの決勝は16歳の孫穎莎(SUN Yingsha)対陳恵(CHEN Mengu)となった。1-3 の劣勢から,フォアハンドの強打を軸に盛り返した孫が優勝し,ダブルスとの二冠となった。孫は小柄ながら男子の「小胖」・樊と似たスタイルで切れがいい。力で陳を打ち破った。日本の若手女子選手にとってはまた新しい強敵があらわれた。
今週は中国オープンがある。トップ選手にとってはポスト世界選手権の大きな大会が続く。