580水谷,薄氷のベスト4(卓球ワールドツアー・ジャパンオープン)

男子シングルスの水谷は2回戦でスウェーデンのカールソン(KARLSSON Kristian)に 4-1 で勝った後,準々決勝で韓国の李尚洙(LEE Sangsu)に 4-3 と辛くも振り切りベスト4に進出した。2-0 とリードしながらレシーブのストップをフォアハンドとバンクハンドで百発百中決められた,2-3 と逆転されてからはレシーブに変化をつけ盛り返す。ゲームオールの第7ゲームは 10-6 とマッチポイントから追いつかれた。許との 10-4 からの逆転負けを思い出すほどだった。10-10 から浮いたレシーブをなんと李がスマッシュミス。これでベスト4入りが決まった。準決勝は樊振東(FAN Zhendong)だ。
その樊は2回戦でフランスのレベッソン(LEBESSON Emmanuel)に 0-2 から,準々決勝でも梁靖崑(LIANG Jingkun)に 0-2 から逆転勝ちした。もともとスロースターターで挽回するのはお手のもの。それにしても「胖(デブ)」対決だった「小胖(樊)」対「大胖(梁)」のスピード感は並外れていた。「胖(デブ)」のドライブの弧線が他の選手とまったく違うのだ。見ていて鳥肌が立つ。
女子シングルスの準々決勝の伊藤美誠は中国の王曼碰(WANG Manyu)と接戦だったが及ばず。勝ってもおかしくない展開だった。また,平野美宇アジア選手権決勝で 3-0 で勝った陳恵(CHEN Meng)に完封された。陳は下回転ツッツキを先に打たせそれを狙っていた。中国の平野対策を垣間見た。平野は2回戦で韓国の田志希(JEON Jihee)に粘られ 4-3 で振り切っていた。ラリーの後のフォア強打のミスがもつれた原因だ。伊藤,平野ともに来週の中国オープンでの中国選手との対戦が楽しみになった。
男子ダブルスの丹羽孝希・吉村真晴ペアは決勝で馬龍(MA Long)・許しん(XU Xin)ペアに敗れ準優勝,女子ダブルスの橋本帆乃香・佐藤瞳ペアは準決勝で優勝した中国の陳幸同(CHEN Xington)・孫穎莎(SUN Yingsha)ペアに惜敗した。
明日の最終日は女子シングルス準決勝,男子シングルス準決勝,女子シングルス決勝,男子シングルス決勝の順で試合がおこなわれる。女子のハン・イン(HAN Ying)(中国系だが),男子の水谷が中国勢の一角を崩せるかが焦点だ。