1613澤宮優文(イラスト:平野恵理子)『イラストで見る昭和の消えた仕事図鑑』

書誌情報:角川ソフィイア文庫(J-134-1),503頁,本体価格1,480円,2021年2月25日発行

原書房版(2016年4月刊行)に加筆修正した文庫版である。放浪詩人・高木護が若い頃就いた120種類の仕事をもとにしたもので,今では消えてしまった仕事114種類の内容や給与などのデータとイラストをそれぞれ4ページに詰め込んだ労作である。
赤帽や馬方などの運輸の仕事17種類,杣や炭鉱夫など建設業・金融の仕事6種類,カストリ雑誌業など情報通信の仕事3種類,藍染め職人や鋳物師など製造・小売の仕事39種類,カフェやカフェー(違いは本文で)など飲食の仕事4種類,サンドイッチマン(二人組の「サンドウィッチマン」とは違う)やチンドン屋などサービス・その他の仕事45種類の仕事を網羅するだけでなくよく調べている。たとえば,ポン菓子屋では大学の紀要論文を調べたうえで纏めていた。
全114種類のイラストも本書を引き立たせている。