1187佐々木朗希の全105球を分析してみる

スポーツ新聞などではすでに分析されていると思うが,素人の目から105球を分析してみた。

-投球数と種類
--1回10球(ストレート5,フォーク5),2回13球(ストレート8,フォーク3,カーブ1,スライダー1),3回13球(ストレート10,フォーク3),4回14球(ストレート8,フォーク4,スライダー1),5回12球(ストレート6,フォーク5,スライダー1),6回10球(ストレート7,フォーク3),7回13球(ストレート11,フォーク2),8回13球(ストレート6,フォーク7),9回7球(ストレート3,フォーク4):9回全105球(ストレート64,フォーク36,カーブ3,スライダー2)

ストレートが64球(61.0%)とフォークが36球(34.3%)で,この2種類で95.3%となり,160キロ前後のストレートと140キロ後半のフォークが完全試合の最大の武器だった。このうち,1回がストレートとフォークが同数で,8回と9回がフォーク球数がストレートを上回った。試合の最後半はストレート中心からフォークに変えたことがわかる。

また,初球のストライクとボールの内訳をみると,

-初球のストライクとボール
--1回(ストレート3,ボール0),2回(ストライク2,ボール1),3回(ストライク2,ボール1),4回(ストライク1,ボール2),5回(ストライク1,ボール2),6回(ストライク2,ボール1),7回(ストライク2,ボール1),8回(ストライク2,ボール1),9回(ストライク3,ボール0):9回全27球(ストライク18,ボール9)

であり,初球全27球中ストライクが3分の2となり,初球から攻めの配球だったことを示している。

このなかで三振をしない男・吉田正尚との対戦は完全試合達成の鍵だった。最初の奪三振となった第1打席をストレート(見逃し)のあと2球続けてのフォークで空振り三振に打ち取る。10者連続奪三振と新記録がかかった4回での第2打席は,一転して2球続けてカーブのあと,2球続けてのフォークでふたたび空振り三振を奪う。7回での第3打席は,3球続けてストレートで押し,4球目をフォークで空振りを奪うと5球目は163キロのストレートで見逃し三振とした。

最後の打者となった昨年のパ・リーグホームラン王杉本裕太郎との対戦では3球続けてのフォークで空振り三振に打ち取ったのも圧巻だった。

ストレートの圧倒的なスピードと並のピッチャーならストレートの速さのフォークもさることながら,新人捕手・松川虎生の配球の冴えと捕球技術も完全試合奪三振タイ・新記録を支えていた。

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