1699岩下哲典・藤村泰夫編『見る・知る・考える 明治日本の産業革命遺産——日本と世界をつなぐ世界遺産——』

書誌情報:勉誠出版,230頁,本体価格2,400円,2022年12月20日発行

2015年に世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産——製鉄・製鋼,造船,石炭産業」は23の資産(8つのエリアの11サイト)を含むシリアル・ノミネーション(広範な地域に分散する資産を統一した基準で登録すること。日本では初)である。
サムライ・スピリットを中心にした総説,23資産の概説(「歴史」,「世界遺産としての価値」,「もっと深く知るために」の3項目で統一),空間と時間に位置づけた産業革命遺産のまとめ,関連年表からなり,類書がない「明治日本の産業革命遺産」ガイドブックになっている。
執筆者の多くは長年「地域から考える世界史」プロジェクトに関わっており,新しく始まった高校の「歴史総合」での活用を強く意識していた。地域は日本と,日本は世界と繋がっていることを考える貴重な素材が「明治日本の産業革命遺産」であることを教えてくれてくれる。