415速達制度創設100年

日本の速達制度は日韓併合(1910年)時ソウルの郵便局で試験的に実施し,翌1911年2月に正式にスタートする。最初は東京市内と東京・横浜間限定で,封書3銭,はがき1銭5厘に速達料金6銭(東京・横浜間は12銭)を追加した。
今年は日本の速達制度100年にあたることを,池田健三郎「速達,現代に史実配達――制度100年,昔の郵便物収集し当時の社会思う――」(日経新聞2011年3月8日付)で知った。池田の所持するもっとも古い速達郵便物は1912年8月消印の封書だが,これ以前の日付のものがあるそうだ。この分野のコレクションは「ポスタル・ヒストリー」といい,速達郵便はそのひとつ。速達小包,帯封速達,軍事速達,旧満州樺太・台湾からのものもコレクションにある(コレクションの一部は「池田健三郎の書斎 」にある→http://kenzaburo.gozaru.jp/)。
郵便創業当時(1872年)は「別段急便」という特殊な郵便物があり,速達の前身は「別配達」・「別仕立」だったことも知ることができた。
日本郵政「郵政歴史年表」(→http://www.japanpost.jp/corporate/history/pdf/jp_history.pdf)では,「東京~大阪間に至急郵便開設」(1872年),「速達郵便規則を制定」・「速達郵便取扱規程を制定」・「速達郵便の重量制限400匁を600匁に改正」(以上1911年)を確認できる。