409滝沢馬琴に「四六四九」

ブログ開始4周年にあたって「今後ともどうぞ四六四九(よろしく)!」と書いた(→https://akamac.hatenablog.com/entry/20110205/1296918000)。「四六四九」はゼミ生への連絡などでよく使ってきた。語呂がたまたま漢数字と合って気に入った当て字のひとつだ。
『当て字・当て読み漢字表現辞典』(三省堂,2010年10月,[isbn:9784385137209])の著者・笹原宏之「当て字辞典を「四六四九」」(日経新聞,2010年2月10日付)によるとこの「四六四九」は遡ること江戸時代に滝沢馬琴がすでに使っていたとのことだ。辞典の表紙とこの記事の写真に「四六四九」を読むことができる。いまどきの学生は「宜しく」とは書けなくとも暴走族などが使って一気に広がった「夜露死苦」はよく書けるというから,「宜しく」が「夜露死苦」と馬路(マジ)で書く学生が多数派になるかもしれない。
そういえば漱石もずいぶん当て字を使っていた。1974年にヒットした郷ひろみの「よろしく哀愁」(作詞:安井かずみ,作曲:筒美京平)に「四六四九」と使っていたらさらに評判を呼んでいたかどうかはわからない。
「四六四九」と誰が使っても発禁にもなることもないし,罰金をとられることもない。「多くの当て字,当て読みが生まれ続けてきたし,今も生まれている」。評者もいろいろ八犬していきたい。
そういえば,現在も本棚にある,高橋七五三*1編『論争・日本農業論』(亜紀書房,1975年,[asin:B000J9RLPY])を最初に見たときに,「七五三」が読めなかった。そのまま「しちごさん」かしらんと思ったが,著者紹介にルビが振ってあって「しめ」と読むと知った。「しめ縄」の表記のひとつであり,人名(姓名とも)にもある。「七五三一」と表記して「しめかず」「しめいち」と読ませる例もあるようだ。「七五三男」(しめお)や「七五三子」(しめこ)もあるかもしれない。

*1:2006年5月25日逝去した農業・林業経済学者で長らく専修大学商学部で教鞭をとっておられたと思う。