1750海老澤模奈人編著『スターハウス——戦後昭和の団地遺産——』

書誌情報:鹿島出版会,214頁,本体価格2,400円,2023年11月10日発行

スターハウスとは,三角形平面の階段室の三辺にひとつずつ住戸が配置され,全体でY字形の平面形状をとう住棟のことをいう。1954年に市浦健が設計した公営住宅が最初で,日本住宅公団公営住宅で1970年代半ばまで建設された。戦後直後の団地建設の時期にだけ見られる貴重な建築である。現在老朽化が進行し建て替えが進む一方,UR都市機構旧赤羽台団地のスターハウス3棟が国の登録有形文化財となり歴史的な建築遺産の評価もされるようになった。
スターハウスの成立,展開,変容と現在を主題に,設計実例,市浦の業績,スターハウスの特徴と型の変化,保存活用などが論じられている。バウハウス,なかでもカンディンシュキーや「北欧型の住宅」からの影響の可能性も示唆されていた。
写真で紹介されているある団地は近くに住んでいて目にしていたことを知った。松山にも1963年と1966年の団地にスターハウスが残っていた。