書誌情報:日本経済評論社,xviii+310頁,本体価格5,800円,2011年1月15日
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個人の選択や行動と経済的あるいは社会的な秩序・制度とをどのように考えるのか。経済学の進化と均衡を手がかりに,制度の経済学による調整に経済学の未来を託し,理論・実証・学史からアプローチした論文集は,八木の京都大学退職記念として編まれたもの(内容と目次→http://www.nikkeihyo.co.jp/books/view/2134)。
「『資本論』や遺稿を含むさまざまなテクストを検討し,『資本論』の諸命題を整合的に再構成する」というマルクス経済学者の「保守的な理論関心」(八木。宇仁稿から孫引き,93ページ)を指摘しつつ,賃金のコーディネーションを『資本論』に即して再構成した宇仁稿はさしづめ「進化論的な」理論関心となるだろう。「学学的」関心を戒める意味では八木の指摘はあたっていた。
進化経済学の断面をそれぞれ切り取ったモノグラフィーは「進化の途上にある」(xiページ)進化経済学の進化と深化を語っている。
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