書誌情報:広島修道大学図書館,xxi+328頁,非売品,2010年11月4日発行,[isbn:9784990526504]
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「カレントアウェアネス・ポータル」で広島修道大学図書館「『明治法曹文庫』の関連事業」が2011年度私立大学図書館協会賞を受賞したことを知った(→http://current.ndl.go.jp/node/20387)*1。思い出したのが監修者のおひとりからいただいていた目録である。
文庫の主体をなすのは,中国地方広島高等裁判所管内裁判所から譲与された明治期の法律書である。裁判官・裁判所職員が職務遂行のために参照・利用文献であり,西洋の法学文献および翻訳書,立法資料,徳川禁令考,中国の律令法典,民刑事の判決録,戸籍関係図書・資料(裁判所が戸籍事務を鑑賞していたことから)など貴重な文献という。
OPAC 上の目録書誌データにもとづいて作成した書名・著者名索引を附したものがこの目録だ。書誌件数857件,3,029冊が含まれている(文庫目録刊行時点。修正や新規データは OPAC 目録に反映)。刊本(和書),単行本(和書),洋書の分類で,前記したように書名・著者名索引がついている。広島修道大学図書館では本文庫の詳しい内容や構成を OPAC 目録で(→http://www-lib.shudo-u.ac.jp/mylimedio/search/search-input.do),「監獄則圖式」,「憲法類編」,「仏蘭西法律書」,「布告全書」の一部を Digital Archive で(→http://www-lib.shudo-u.ac.jp/home/meiji/index.html),それぞれ閲覧できる。
一瞥のかぎりでは,ナポレオン法典,オースチン,ベリーム,ボワソナード,アルフホンス,ボワステルマッケンジー,ロング,エルスキン・メー,イ・カ・ブルンチュリ,オットー・マイヤーなどの原著者が確認できる。通常の書誌的特徴以外にも印記も記載してあり,編纂者の「創意工夫」・「慎重綿密」(viiiページ)を垣間見ることができる。
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- 永崎研宣著『文科系のための情報発信』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20070316/1174011883
*1:慶應義塾大学「デジタルで読む福澤諭吉」は2007年度に受賞している(→http://project.lib.keio.ac.jp/dg_kul/fukuzawa_about.html)。これもすばらしいコレクションである。