NHKスペシャル「"認知症800万人"時代 認知症をくい止めろ――ここまで来た!世界の最前線――」(→http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0720/index.html)を観た。
認知症治療薬ではない薬が認知症発症要因であるアミロイドβを減らす効果がわかったことや認知症がいわば脳の糖尿病であることを伝えていた。
とくに注目したのはユマニチュード(フランス語:humanitude)という認知症患者により人間らしく接するケアであった。患者の自己回復力に可能性を見いだし,見つめること,話しかけること,触れること,自分で立つことを基本にしたものである。提唱者のひとりイヴ・ジネスト(Yves Gineste)のケアの現場からはユマニチュードの持つ効果がよく理解できた。
また,生活習慣病の予防と認知症の予防とが重なっており,脳卒中や心臓病のリスクを減らせば認知症発症のリスクを減らすことにつながるとしていた。イギリスにおける生活習慣病予防の取り組みが効果を上げており,予防と治療の一体化の重要性を指摘していた。
認知症患者を人として扱うためには介護現場の人的・経済的制度の充実が欠かせないし,予防と治療の一体化のためには薬漬けにしたり治療によって保険点数を稼ぐ現状を変える必要がある。ケア労働の感情労働としての特徴と予防医療の大事さとを衝く特集になっていた。
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