書誌情報:光文社新書(728),220頁,本体価格740円,2014年12月15日発行
ギャンブル依存国家・日本 パチンコからはじまる精神疾患 (光文社新書)
- 作者:帚木 蓬生
- 発売日: 2014/12/11
- メディア: 新書
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厚労省の研究班の調査によれば,日本のギャンブル依存者は536万人(有病率:4.8%,男:8.7%,女:1.8%)にのぼる。そしてその6割から8割がパチンコ・スロットと推定される。歴としたギャンブルを遊技としてみなすことによって多くのギャンブル依存者を生み出している不作為(政府・行政,警察,メディア,精神医学会,法律家)を告発している。
日本にはすでに公営ギャンブルが6種類存在する。競馬(中央競馬10,地方競馬17,合計27カ所:農水省),競艇(24カ所:国交省),競輪(43カ所:経産省),オートレース(6カ所:経産省),スポーツ振興くじ(文科省),宝くじ(総務省)である。文字どおり国をあげてギャンブル振興している。テレビの広告での新4K(競馬,競輪,競艇,くじ)とPS(パチンコ・スロット)の露出は際だっている。
すでにして日本はマカオ(年間売上約4兆7000億円)が5つ存在するほどのギャンブル大国なのだ。カジノ解禁の議論の前に,「ギャンブルに関しては,国民全体が感覚麻痺の状態に陥っているので,知らず知らずのうちに不合理と不法行為がまかり通りやすい」(197ページ)日本を直視してみる必要がある。
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