NHKスペシャル「小笠原の海にはばたけ――アホウドリ移住計画――」(→http://www.nhk.or.jp/special/detail/2015/0726/index.html)を観た。
4,000羽しかいなくなった国の特別天然記念物アホウドリを,火山噴火被害がある伊豆諸島の鳥島から小笠原諸島の聟(むこ)島へ移住させる山階鳥類研究所のプロジェクトを追っていた。2008年から鳥島のヒナを聟島で育て,聟島に戻ってくるアホウドリを増やそうというのだ。2012年まで70羽を育てそのうち39羽の帰島を確認し,ヒナの誕生までようやく成し遂げた。
3年後に戻ってきたイチローと恋鳥ユキからはまだヒナは生まれていないが,聟島の南の媒(なこうど)島で聟島出身のメス鳥に二世が誕生した。
アホウドリを絶滅の一歩手前まで追い詰めたのは日本人だ。羽毛が高値で取引され大量に輸出されたからだ。一攫千金を夢見る日本人やそれを追認あるいは支援した日本国。この移住プロジェクト自体はすばらしい取組であることは論を俟たない。「人に乱獲され」と一般論で片付け,「夏休み,家族で楽しめる人と動物の感動の記録」とするのはアホウドリ受難を軽く扱うことにならないだろうか。
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