833日本図書館協会が軽減税率適用の継続的検討を要望

公益社団法人日本図書館協会は「図書・雑誌・新聞への消費税軽減税率の適用ができるよう継続的検討を強く求めます。」を発表した。新聞についてはすでに軽減税率が適用されることになったことを受けての声明である。図書・雑誌への適用については「有害図書・雑誌」があることを理由に検討事項になっていると報じられている。
関連エントリーで触れたように,消費税導入時に検討されてしかるべきことであって,日本図書館協会の要望は至極真っ当と考えている。
全文は下記である(日本図書館協会http://www.jla.or.jp/demand/tabid/78/Default.aspx?itemid=2787)。

図書・雑誌・新聞への消費税軽減税率の適用ができるよう継続的検討を強く求めます。
先般,公表された2016年度税制改正大綱において,新聞について軽減税率の適用をお認めいただいたことを,新聞が図書館の基幹的資料であることに鑑み,歓迎いたします。しかし,図書・雑誌については2017年4月の実施に向けて引き続き検討事項となったことに,大きな失望の念を抱いています。
わが国は,他国に類を見ない高い読書文化の普及に支えられて,知識・情報・教養の高い国民性がつちかわれ,もって我が国の発展を実現してきたといっても過言ではありません。わが国が今後もよりよく発展し続けるためには,図書・雑誌・新聞を国民の文化・知的基盤として普及することが不可欠です。
その基盤を支えてきた図書館は,乳幼児から高齢者まで,全ての人々に対し,生きる力を提供しています。生きる力の源は,図書館が提供する図書・雑誌・新聞です。つまり,図書・雑誌・新聞は,食料品等と同様に,人々の不可欠必需品です。
図書館,とりわけ公立図書館は,「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を社会的に保障する機関のひとつとして,人々が自由に,必要とする知識や情報に接することによって,人が人として生きていくうえで欠くことのできない知識,思想,文化,情報を得ることができます。
しかしながら,近年における公立図書館の資料費(図書・雑誌・新聞等購入費)予算は,減少の一途をたどり,1998年度の349億5345万円をピークに,2014年度は284億9547万円で,図書館1館当たりにすると883万円になっています。仮に消費税が8%から10%に上がると,実質資料費は図書館1館当たり803万円となり,人々が手に取る図書・雑誌・新聞は極端に減少することとなります。その結果人々が必要とする知識,思想,文化,情報の源が枯渇し,ひいては,国力に影響することを,われわれは危惧します。
ついては,2017年4月の消費税軽減率の実施に向けて,検討を加速し,必ず,図書・雑誌への適用を実現くださるよう,強く求めます。