408水谷,7回目の優勝(卓球ワールドツアー・スロベニアオープン)

水谷は準決勝に続いて決勝でも粘りを発揮し,逆転で第2シードの台湾の荘智淵(CHUANG Chih-Yuan,WR7)に 4-3 (11-9, 5-11, 8-11, 11-3, 10-12, 11-6, 11-9) で勝ち優勝した。1996年から始まった卓球ワールドツアーで11回目のファイナリストで7回目の優勝となった。4月のポーランドオープンに続いて今年2回目の優勝だ。
準決勝の朱世赫(JOO Saehyuku,WR13)とは1時間30分の激闘のあと,決勝も1時間を超える打ち合いを制した。荘にはこれまで14勝5敗と相性がよく,2014年3月以来5連勝中だった。
その荘と準々決勝で対戦したのが中学1年生12歳の張本智和。2-2のあとの第5ゲームは中盤までリードしながら終盤連続ポイントで荘に振り切られ,2-4 (8-11, 3-11, 11-9, 11-6, 8-11, 4-11) と惜敗した。思い切りのいいレシーブとバックブロックで世界ランカーの荘を慌てさせた。張本は中国の樊振東(FAN Zhendong)とプレースタイルが似ている。フォアの攻撃力が上がれば一気に世界上位にいくことは間違いない。
女子シングルスの石川佳純福原愛はともに準決勝で負け,決勝での対決はならなかった。石川は韓国の田志希(JEON Jihee,WR11)に 3-4 (11-4, 6-11, 7-11, 14-12, 11-7, 6-11, 7-11),福原はシンガポールの馮天薇(FENG Tianwei,WR6)に 1-4 (6-11, 4-11, 11-9, 1-11, 5-11) だった。石川は通算5勝1敗の田に惜敗,福原は通算3勝13敗の馮に完敗だった。
伊藤美誠(WR10)は3回戦でシンガポールのツォン・ジエン(ZENG Jian,WR47)に負け,上位進出はならなかった。
U21女子シングルスでは佐藤瞳が浜本由惟に 3-0 (11-6, 11-5, 13-11) で勝ち優勝した。佐藤はU21で10回目のファイナリストで8回目の優勝だ。これは石川の10回,韓国の梁夏銀(Yang Haeun)の9回に続く優勝となる。佐藤は一般の3回戦ではシンガポールのユー・モンユー(YU Mengyu,WR16)に勝ち,準々決勝では馮に惜敗した(第5ゲームのジュースをものにすれば逆の展開になっていた)。前週のクロアチアオープンの優勝に続いて存在感を示したプレーだった。
日本卓球協会のHPでは日本選手の結果を報じるだけだ。水谷の7回目の優勝,張本の最年少記録やU21佐藤の8回目の優勝などすばらしい活躍ぶりにまったく触れていない。何度も触れてきたが,協会の報道姿勢と内容には大いに不満がある。