1630ジャン=イヴ・モリエ著(松永りえ訳)『ブックセラーの歴史——知識と発見を伝える出版・書店・流通の2000年——』

書誌情報:原書房,338頁,本体価格4,200円,2022年2月28日発行

書き手と読み手の両者にとって,知識と情報を集積するだけでなく,思考と記憶を共有できる書籍には多くの人が関係する。著者の言葉を借りれば,「司書,書館員,写字師,書道家(カリグラファー),旅回りの書籍商,あるいは店を構える書籍商,羊皮紙商,写本装飾師,製本職人,競売人,校正者,そして印刷業者,出版業者,やがては取次業者や流通業者」(294ページ)など多くの業種と関わる。また,書籍というスタイルもかつての粘土板や巻物などから現代の電子情報によるものまで紙にとどまらない。

古代からアンシャン・レジームの終わりまで,近代,そして今日にいたる書籍販売業の2000年の歴史を概観した書物は圧巻である。ヨーロッパ,フランス中心とはいえ,要所で日本や中国の歴史についても触れられている。

インターネットによるオンライン販売によって書籍販売業は「残酷な突然変異」(203〜204ページ)によって「あたかも天変地異が起こっているさなか」(204ページ)である。

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