1656岡田晴彦著『10,000tを動かす技術——超重量物を1mm単位でコントロールするジャッキの力——』

書誌情報:ダイヤモンド・ビジネス企画発行,ダイヤモンド社発売,185頁,本体価格1,500円,2022年6月14日発行

本書の舞台はオックスジャッキという会社である。ジャッキ業界で唯一,製作だけでなく販売,レンタル,工事をすることができる会社である。
オックス邪気は,白銀屋商店(1929年創業)を母体として,山本扛重機(1951年設立)とジャッキ専門レンタル会社オックスサービスコンサルタント(1963年設立)の合併で誕生した(2000年)。ちなみに,「扛重機」と書いて,「こうじゅうき」と読む。『広辞苑』の「じゃっき」で引くと「扛重機」が出てくるとは初めて知った。
ジャッキを使った実際の現場である北陸新幹線武生橋梁工事,国道45号気仙沼湾横断橋梁工事,東京2020会場「有明アリーナ」の屋根架設工事,幸町架道橋桁架設工事,仙台東部道路,高速横浜環状北線工事などを通じて,「ニッチな業界の小さいが知る人ぞ知る会社」を紹介している。
推進機構,鉛直支持機構,スラスト対策機構からなる数十ものジャッキが超重量物を動かしている。「有明アリーナ」はNHKスペシャル東京リボーン(1)「ベイエリア 未来都市への挑戦」(2018年12月23日放送)のなかで「数多くの困難をかかえるものだった」工事として登場する。もちろん,オックスジャッキは下請け(二次協力会社)なので,出てきたのは元請けの竹中工務店だったが。
建設現場はこうして動いている。