1781加藤文元著『数学の世界史』

書誌情報:角川書店,iv+364頁,本体価格2,200円,2024年2月28日発行

今年素数セミの話題があった。どうやらセミは数学が得意のようで,みずからの「最良」生存戦略素数を発見した。ちなみに,素数を英語では prime numbers ということを知った。また,無限に続く円周率をデザインしたTシャツをデザインしたり,円周率1,000,000桁を出版したりする人間もあらわれ,人間もすこしはセミに近づいている。
数学が持っている普遍性を強調するだけでなく,時代や場所によって規定されて誕生した生きた数学を浮かび上がらせ,文明史にも似た西洋数学による席巻を外観している。古代エジプト数学,バビロニア数学,古代ギリシャ数学,インド数学,中国数学,近代西洋数学,アラビア数学,そして和算がいかに現代数学に合流し,「ブレンド数学」になったのか。「数学史への文明論的アプロー」は読む数学史でもある。