444山下亀三郎著『沈みつ浮きつ』天

書誌情報:山下株式会社秘書部,190頁,非売品,1943年4月15日発行

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古書店では天地全2冊で8,000円(東京・戸川書店,http://www.kosho.or.jp/public/book/detail.do;jsessionid=F0200549B0CED7CAFCACE236006ED34E?tourokubi=08DC16E9E0763E85E7E771066AD8E94D4FA950507F16CDF8&seq=5&sc=D7AF639A1C38C6E44ED18997687098EA),菊判・和綴で12,000円(京都・書砦梁山泊http://www.kosho.or.jp/public/book/detail.do;jsessionid=F0200549B0CED7CAFCACE236006ED34E?tourokubi=08DC16E9E0763E85E8978FA13F5E83323401E6375307353A&seq=19&sc=06198F944EE320DA4ED18997687098EA)する。関連エントリーで触れた縁で,三瓶高校のI先生からコピーをいただいた(なお,1951年発行の四季社本【asin:B000JBFTA6】もあるようだ)。
山下の回想,感想の「口授速記」(1940年6月から翌年10月まで)が本書であり,山下の凝りようが伝わってくる。赤字で挿入した評語があって,稿本閲読の際に徳富蘇峰が赤鉛筆で記入したものを縮小転写印刷している。「好懺悔」,「一代ノ光栄」,「炯眼炯眼」などが判読できる。ほかに数行にわたる評語もあるが,そのすべてを判読できない。序文も徳富のものだ。使用している紙は鐘紡丸子工場で漉かれた「絹の紙」で,この紙を使ったのは「恐らく本書を以て嚆矢とするであろう」と自負している。このふたつともコピーでは再現できていないのが残念だ。写真挿入も山下のこだわりだろう。