マルクス･エンゲルス研究者の会編『マルクス･エンゲルス･マルクス主義』第52号（八朔社，本体価格3,000円，2010年12月25日）が出た。
Danga Vileisis 稿は，マルクスがアダム・ファーガソン『市民社会史論』（1767年）からかなりの影響を受けているのではないかを，マルクス『ドイツ・イデオロギー』との比較対照から分析したものだ。従来からファーガソンとの関係は『哲学の貧困』（1846.12〜47.4）以降とされている。Vileisis は，マルクスが『ドイツ・イデオロギー』執筆以前にファーガソンの著作を読むことで，史的唯物論の確立に直接影響したという。翻訳文51ページの大作は，ファーガソンの「知られざる貢献」を明らかにしようとした意欲作である。
王らの稿は，『共産党宣言』の中国語訳（44の抄訳と全訳，32の刊本）を紹介したもので，五四運動から新中国成立まで11の，新中国成立後から改革開放までの8の，改革開放以降の13の，新版本を網羅している。
| タイトル | 執筆者 |
|---|---|
| マルクスの唯物論的歴史把握に対するアダム・ファーガソンの知られざる貢献 | Danga Vileisis（玉岡 敦訳） |
| 『ドイツ・イデオロギー』成立史の新展開――Danga Vileisis論文の公開によせて―― | 玉岡 敦 |
| Vileisis における唯物史観源泉に対する理解 | 陳 浩 |
| 『資本論』第II部第３篇の構成をめぐって――MEGA2 II/13の編集過程から見えてきたもの―― | 早坂啓造 |
| 『共産党宣言』の32 の中訳本――中国におけるマルクス・レーニン著作の出版，普及の手本―― | 王 東・陳 有進・賈 向雲（解 澤春訳） |
