866『マルクス・エンゲルス・マルクス主義』第58号

マルクスエンゲルス研究者の会編『マルクスエンゲルスマルクス主義』第58号(八朔社,本体価格3,000円,2016年3月25日)が出た。
久保稿はマルクス主義者ではない研究者によってマルクス・エンゲルス文献の翻訳と普及がされたことを多数の新聞記事や広告から明らかにしていた。広告には天皇勅令を公表する官報も含まれていた。
盛稿は中国で最初に『資本論』を翻訳した郭大力,王亜南を取り上げ日本語訳(高畠素之訳)から多くの術語が取り入れられたことを解明している。
両稿は日中両国におけるマルクス文献普及史とマルクス主義受容史に新たな一頁を加えた労作だ。

タイトル 執筆者
福田徳三の『マルクス全集』(大鐙閣)とマルクス主義像の形成 久保誠二郎
中国語訳『資本論』の成立過程――郭・王訳の考察と翻訳術語の変遷―― 盛 福剛