書誌情報:明石書店,380頁,本体価格2,000円,2012年5月25日発行
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ロンドン・オリンピック直前に発行されており,「エリア・スタディーズ」の100冊目である。ロンドンは二日間滞在しただけであり,大英博物館とマルクスの墓があるハイゲート墓地に行ったきりである。15年も前のことになる。
ロンドンには石のレリーフ,「ブルー・プラーク」,銘板などによる表示が750カ所ほどあり,博物館・美術館も200ほどあるという。本書にはロンドンの歴史,政治・経済,文化,芸術,文学,暗黒,映画,スポーツ,ファッションにかかわる60の物語と19のコラムがあり,すべて読み切りである。小さめながらも多くの写真があり,手軽に読める。
こんなネタも仕込まれていた。大英博物館まえのパブ(ミュージアム・タバーン)の常連客にJ・B・プリーストリィやコナン・ドイル,さらにマルクスがいた。「このパブで何者かが鏡を割るという事件があり,マルクスはその犯人との嫌疑がかけられているとか。19世紀を代表する思想家でありながら,私生活の些細な事件まで伝えられるのは有名税の一種かもしれない」(145ページ)。出典など不明だが,「鏡割り」マルクスは初めて聞いた。
物語とコラムを興味に応じてどこから読んでもいい。ロンドン雑学本は意外に面白い。辞典的要素を含んでおり,索引が欲しい。
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