1288橋本直樹著『1850年のマルクスによる経済学研究の再出発』

書誌情報:八朔社,221頁,本体価格4,000円,2018年1月18日発行

1850年のマルクスによる経済学研究の再出発

1850年のマルクスによる経済学研究の再出発

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マルクス大英博物館で所蔵の膨大な資料を利用して経済学研究をしたことはよく知られている。「再びまったくはじめからやり直して」(マルクス)の研究であり,『新ライン新聞』発行とその後の事件によって「中断」していたからである。マルクスによれば,大英博物館にある経済学の歴史に関する資料,当時の社会におけるロンドンの位置,カリフォルニアとオーストラリアにおける金の発見を契機にした資本主義の新たな段階とがマルクスに研究を決意させたのだった。
本書は,『資本論』に結びつく研究の最初期にあたり,また,共産主義者同盟の「よびかけ」のような政治的な諸論稿を発表するなど八面六臂の活躍をする時期にあって,マルクスの経済学研究とは具体的にどのようなものであったのかに焦点を当てている。