書誌情報:青木書店,182+ii頁,本体価格2,200円,2014年2月10日発行
- 作者:飯盛 信男
- 発売日: 2014/02/01
- メディア: 単行本
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著者は多くの生産的労働論,第三次産業論,サービス産業論についての単著を著してきた。とくにサービス部門価値生産説の立場からのサービス論・サービス産業論は著者の特徴といっていい。
本書は20年以上にわたって公共サービスの拡充による雇用安定化による内需型成長に日本経済の再生を主張してきた。本書はこの公共サービス拡充によっての再生を,理論的根拠,政策批判,実態から論じ,翻ってサービス部門価値生産説を補強している。
健康,介護,教育,環境,文化,防災などは生活の質の向上を担っており,「採算を度外視してでも供給されるべきもの」(26ページ)であり,所得税の累進税率引き上げ,資産所得課税強化,法人課税強化による「大きな政府」(同上)が必要と説く。
「小さな政府」と市場競争原理による公共部門抑制策を進めながらサービス部門雇用増の6割強が公共サービスによるものという逆説にこそ著者の主張の現実性がある。
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