リスボン大地震は1755年11月1日万聖節の9時半頃に発生した。数万人とも言われる犠牲者数の多さやヴォルテールとルソーの「神の摂理論争」を引き起こしたことでも知られている。
アダム・スミスは『道徳感情の理論』(1759年)で,地震が起こって「偉大な大清帝国」と何千万もの住民が消え失せてしまったとしたらヨーロッパの人々はどう思うだろうかと問題を提起し,遠く離れた場所の災厄と我が身に起こった些細な事件とを比較することから「共感」の意味を考えたのだった。
永冶日出雄(ながや・ひでお)のエッセイ「リスボン大地震を追って――ロシオ広場とサン・アンタオ門街――(『日本の科学者』第49巻第7号(通巻558号),2014年7月号)で,みずから震災を体験したモレイラ・デ・メンドンサの著作『世界地震通史』(1758年)の図説を紹介し,ご自分の研究を公開していることを知った。東日本大震災の1カ月後,75歳の誕生日の前後に決意してポルトガル語を学び始めたという。
リスボン大地震のほか,紀行・随想,エルヴェシウスを中心とした論文も公開している。
- 「総合研究 リスボン大地震 1755年――近代ヨーロッパの社会的震撼――」→http://www.hnagaya.net/index.html
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