書誌情報:白桃書房,v+170頁,本体価格2,500円,2014年4月26日発行
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リーマン・ショック以降のコーポレート・ガバナンス関連事項に,役員報酬の開示,議決権行使結果の公表,独立役員確保の義務づけなどがあった。一定の前進があったとはいえ,日本企業は,取締役会の過半数に社外取締役の選任や独立取締役によって監査委員会などの取締役会内委員会委員の構成においてはまだ先進国の仲間入りを果たしていない。社外取締役が一人でも選任されているのは上場企業の約半数にとどまっているという。また,社会取締役の義務付けも実現していない。
「日本のコーポレート・ガバナンス改革が,先進国はおろか,新興国と比べても遅れていることは周知の事実」(3ページ)として,日本については外部監査と会社機関の項下で改革の現状を報告し,その二つの視点から韓国,中国,ロシア,インド,ベトナム,フィリピン各国の特徴をまとめている。
財閥の存在と大統領府中心の政治力(韓国),企業と党との特有の株式制度(中国),企業活動への国家介入(ロシア),一族・同族による企業支配(インド),国有・公企業の改革と不可分離な企業統治(ベトナム),株式所有の集中・偏在(フィリピン)のようにコーポレート・ガバナンス改革の現状報告は,資本主義の多様な姿を写し出していた。
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