1528浅倉徹著『黒き侍,ヤスケ——信長に忠義を尽くした元南蛮奴隷の数奇な半生——』

書誌情報:原書房,325頁,本体価格1,900円,2020年5月28日発行

主人公はアフリカのモザンビーク生まれでキリスト教宣教師の奴隷として日本に来た黒人男性で,『信長公記』で「黒坊主」と呼ばれたヤスケ(弥助)こと織田信長の親衛隊である御馬廻衆の一人となった天竺弥助信春である。

「弥助が存在していたことは事実で,おそらく日本の史実で確認できる黒人の正規の侍は彼のみだろう」(「まえがき」)。弥助に関わる史料もなく,本書における彼の行言動や性格づけはすべて著者による創作である。

宣教師はじめ信長,光秀,秀吉,家康らの史実をもとに弥助が存分に活躍する。本能寺の変の直後に離日する弥助のその後も気になる。

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