222堀口貞夫・堀口雅子著『夫婦で読むセックスの本』

書誌情報:NHK出版生活人新書(267),221頁,本体価格700円,2008年9月10日発行

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別にセックス本を探していたわけではないのだけれど,この本のタイトルが目に飛び込んできた。やはり羽田から松山への飛行機の中で読んだ(参照→https://akamac.hatenablog.com/entry/20080910/1221039688)。

家では勃たない夫,「おつとめ」に疲れた妻。イカせなくては! と焦る男性に,「したい」と言い出せない女性。夫婦のセックスはなぜすれ違うのか。互いの思い込みとプライドから自由になって,豊かな関係を築く秘訣は? 長年,性に向かい合ってきたベテラン産婦人科医夫妻が,月経前のイライラ,妊娠中・産後,更年期・勃起障害時のセックス,老年期の性など,夫婦関係改善のツボを語る。(本書の帯から)

セックスとは性交だけではない,セックスはコミュニケーションのひとつだとなんども言っている。本書ではセクシュアリティのひとつとしてセックスを位置づけ,性と生とがつながっていることを説く。東京都立七生(ななお)養護学校(2008年4月より特別支援学校)の「すぐれた「こころとからだの学習」が行き過ぎた性教育と非難された「事件」(2003年7月)は,非難する側の興味本位でしか性をとらえなれない,いやらしさを露呈したものであったと思う(本書でも数ページにわたって触れている)。
本書で引用されているこの一文はとても考えさせられた。

「がんの妻が帰宅中に急変した。夫は抱きかかえ,とっさにペニスを握らせた。妻はニッコリ笑って,医師を待つ間もなく静かに逝った」(大工原秀子『性ぬきに老後は語れない』(ミネルヴァ書房,1991年,[isbn:9784623020225]