書誌情報:卓球王国,173頁,本体価格1,429円,2009年5月20日発行
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著者は,音楽家の故宮川泰夫人であり,「おんがくの宮川」取締役をつとめた。卓球選手経験もある(1982年第1回世界ベテラン大会フィフティの部優勝)。40年にわたって集めた卓球切手コレクションが本書である。
卓球切手の世界初はニカラグアで発行されている(1948年)。2番目はルーマニア(1953年),3番目は日本の第9回国民体育大会(1954年)である。卓球切手を最も多く発行しているのは中国で,高値を付ける切手もあるとのことだ。外貨獲得を目的としてギニア,チャドなどの南アフリカ諸国も発行が多い。
本書では,世界卓球選手権,オリンピック,各種国際大会,世界各国などに分け切手を主としながら,小型印やカードなども収録している。日本では国体とインターハイで毎年記念印が発行されていて,数としては世界一という。小型印の最古のものは「1948年福島県飯坂市で発行された全日本軟式卓球選手権のもの」(10ページ)とあった。これは「福島・飯坂」の間違いである。福島県には飯坂市はない。たまたま巡りあった国際卓球連盟の "The Table Tennis Collector", No.40, Spring 2006, p.9 に掲載されていた(→http://www.ittf.com/museum/TTC40.pdf)。「(昭和)23.9.18/福島・飯坂」とはっきり読み取れる。
ベルギーやイタリアでは卓球切手が豊富に扱われているが,日本ではほとんどないとも。著者のコレクションはスイス・ローザンヌにある国際卓球連盟博物館(→http://www.ittf.com/museum/)に寄贈されているそうだ。
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