1609春画ール著『江戸の女性たちはどうしてましたか?——春画と性典物からジェンダー史をゆるゆる読み解く——』

書誌情報:晶文社,245+9頁,本体価格1,800円,2021年12月20日発行

著者は葛飾北斎「蛸と海女」を観て春画に目覚めたとのこと。「性の営みが描かれている風俗画」である春画をいわゆるセックスだけでなく,出産,子育て,夜這いといった性にまつわるすべてのことから観ようと勧めていた。
現代の女性による,江戸期の春画解読は初めてではないが,昔の潤滑剤,アソコへの香の効用,秘薬の試薬,おもちゃの再現は本書の売りだろうか。
すこし釣りながらすこし学問的匂いを醸しだした春画入門書を公的図書館から借りだして読んだ。広く「性の営み」を論じたいという著者の意図とはやや遠く,セックスをストレートに描いた春画の周辺をあちらこちら行き来していた印象を持った。
春画をば 売りにしたよな 春画ール(春画夫作)