372「縄文時代後期における稲作農耕空間の探求」ムービー

愛媛大学城北キャンパスは文京遺跡の一部にある。同僚・田崎さんをリーダーとする第44次調査が科研費の補助を受けて始まった。
縄文時代は狩猟・採集・漁撈を生業基盤とする社会と言われている。ところが,実際にはムギ,アワ,ヒエ,キビなど雑穀類やマメ科植物の炭化種子・種子圧痕資料が出土する。縄文時代には農耕が存在していたことになる。とくに,縄文後期から晩期には炭化米や籾圧痕土器,コクゾウムシ,イネのプラント・オパールが出土し,稲作があったことを示している。
土壌化層や撹拌痕跡,プラント・オパールを調べることによってこの文京遺跡の黄褐色土層(縄文後期)には稲作農耕空間があったのではないかを確定する。これが今回のプロジェクトだ。
研究棟のすぐ目の前で調査が始まった。今回の調査では新たな発掘情報発信として,発掘調査ムービーを公開する試みをしている。調査・研究の背景と目的から発掘の様子が報告中だ。発掘の内容が随時報告されるのはとてもありがたい。
発掘調査場所はなちゃんの散歩コースになっていた。穴掘りが得意のはなちゃんに手伝ってもらったらお宝が出てくるかもしれない。残念ながら今回の調査チームのメンバーにはなちゃんは含まれていない。