送っていただいた新保芳栄「地域金融機関の統合的リスク管理を巡る考え方」(地域金融研究所【→http://www.chiiki-kinyu.co.jp/】『New Finance』vol.41-7,2011年7月号【→http://www.chiiki-kinyu.co.jp/finance.html#2011_7】)を読む。
金融機関のリスク管理としてVaRなどを利用した統合的リスク管理の考え方を紹介し,地域金融機関(地方銀行,第二地方銀行,信用金庫および信用組合)にあっては企業経営者の個人的な資質やその企業の技術力など定性的な情報が大事であること,リスク管理を少数の担当者の力量に負っていることを指摘している。リレーションシップバンキングという特徴を生かしたリスク・コミュニケーションを通じたリスクカルチャー構築を提唱している。
一週間ほど前の日経では(7月20日付),2011年3月末時点での地域金融機関の数と店舗数について,地方銀行(63,7,493),第二地方銀行(42,3,138),信用金庫(271,7,584),信用組合(158,1,755)と報じていた(合計534,19,970)。新保の議論はVaRなどによる計量化の精緻化だけでなく,地域金融機関の地域的特徴を踏まえようということなのだろう。実務家の視点として肯ける。
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