最終日の日本オープン(横浜)は男女シングルスの準決勝,決勝,男女ダブルスの決勝があった。
男子ダブルスでは,岸川聖也・水谷隼ペアが台湾の江宏傑(Chiang Hung-Chieh)・黄聖盛(Huang Sheng-Sheng)ペアを 3-0 (13-11, 11-9, 13-11) で降し優勝した。各ゲームは最後まで競ってはいたが,力強く腕を振る余裕があった。
女子ダブルスでも,福原愛・若宮三紗子ペアがシンガポールの馮天薇(Feng Tianwei)・ユー・モンユー(Yu Mengyu)ペアに 3-1 (11-8, 11-6, 7-11, 13-11) で勝った。二人の特徴である前陣での攻守が相手を上回っていた。
男子シングルスでは,水谷隼(WR8)が中国の16歳になったばかりの新鋭・于子洋(Yu Ziyang,WR180)に,2-4 (11-8, 4-11, 8-11, 11-6, 4-11, 8-11) で準優勝にとどまった。
1-1 となった第3ゲーム,水谷が 7-4 とリードした場面のこと。于のチキータでのフォアへのレシーブを飛びついて拾いロビングを上げる。于はこれをスマッシュするもネットにひっかけサイドを割った。于は天を仰いでいた。ところが審判の判定はエッジをかすったとして于のポイントにした。水谷が抗議するも覆らず 7-5 となる。8-4 の 4 点差と 7-5 の 2 点差ではまったく違う。スローモーションを見てもネットのあとそのままアウトしており,審判の完全なミスである。水谷は第4ゲームを取るが,第5,第6ゲームを失う。この一球の判定が勝敗を分けたといっても過言ではない。16歳にそれを求めるのは酷かもしれないが,あの時于がアウトと自己申告していればワールドツアー史に残るフェアプレーと讃えられることになっただろう。
準決勝で水谷に惜敗した17歳の村松雄斗(WR71)は見事だった。昨年までワールドツアーU21で実績を残してきた。攻撃力を持った現代チョッパーとしてこれからの活躍が期待される。
女子シングルスは,石川佳純(WR9)もシンガポールの馮天薇(Feng Tianwei,WR4)に 2-4 (10-12, 11-9, 11-3, 3-11, 5-11, 11-13) と及ばなかった。第2,第3ゲームはフォアハンドが振り切れていた。第6ゲームは, 4-8 から挽回してジュースに持ち込んでいた。馮が石川を左右に振る試合展開にして終始ゲームを支配していた。シンガポールのユー・モンユー(Yu Mengyu,WR12)との準決勝のように,主導権を握れなかったのが敗因だ。
(追記)「卓球王国WEB」の「速報・現地レポート」でも「水谷「7−4からの1本が試合を決めた。興奮してしまった」として評者とまったく同じ意見を書いている。「前代未聞のミスジャッジ」としている。また,水谷と于のコメントを載せている。(→http://world-tt.com/ps_info/ps_report.php?bn=153&pg=HEAD&page=NEXT&rpcdno=51#51)
- 日本卓球協会の結果→http://www.jtta.or.jp/result/2014/worldtour/jpn/jpn2014.html
- itTV→http://www.ittf.com/ittv/
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