981伊藤条太著『ようこそ卓球地獄へ』

introduction

書誌情報：卓球王国ブックス，291頁，本体価格1,300円，2014年7月31日発行

ようこそ卓球地獄へ―卓球マニア養成ギプス (卓球王国ブックス)

ようこそ卓球地獄へ―卓球マニア養成ギプス (卓球王国ブックス)

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唯一の書店売り卓球専門月刊誌『月刊卓球王国』連載コラム「奇天烈逆も〜ション」（ブログ→http://world-tt.com/blog/johta/）から選んだ61本と世界選手権取材記事2本に加筆修正したもの。
卓球ファンならわかる「決して理想にたどり着けずにもがき苦しみ，それでも止められない様子」（288ページ）を「卓球地獄」と呼ぶ。選手名などある程度卓球に興味がないとついていけないところもあるが，著者が家電メーカーに勤める熱烈卓球ファンゆえに，技術論や精神論に偏らずありとあらゆる卓球ネタを取り上げていて共感するところが多かった。
出張中のラスベガスで「ピンポン外交」の当事者だったアメリカの元代表選手と出会った話にはびっくり。諧謔や皮肉や妄想（？）を散りばめながらも，卓球を愛すればこそのまじめな卓球論こそ著者の真骨頂だ。
堂々と「卓球コラムニスト」と名乗る著者がすばらしい。著者のコラムに反応するような理屈好きに卓球が上手な人は少ないとある。すくなくとも評者には当てはまらない。