185水谷,3位ならず(卓球男子ワールドカップ2014)

準決勝の相手,馬龍(MA Long,WR3)はさすがに強かった。チキータのレシーブは狙われ,突っつけば強打される。常に攻める馬に主導権を握られ,0-4 (9-11, 4-11, 6-11, 7-11) と敗退した。
3位決定戦のドイツのボル(BOLL Timo, WR7)とは15戦で1回しか勝っていない強敵。第1ゲームは9連続ポイント,第4ゲームも5連続,3連続ポイントでゲームを取ったが,競った第6ゲームを落として2-4 (11-2, 7-11, 8-11, 11-6, 2-11, 9-11) と惜敗し,2勝目はならなかった。攻めを意識した水谷は凄みがあった。徹しきれなかった。
決勝は,馬龍と張継科(ZHANG Jike,WR4)の中国選手対決となった。馬は1ゲームも落とさず,張は準々決勝,準決勝と競って勝ち上がってきた。どちらも強力なフォア,バックで各ゲームを支配する。ラリー戦にはならず数回の強打の応酬でポイントを取り合う。ITTFの国際大会では馬が7勝3敗と分が良かったが,第3ゲームと第7ゲームの競り合いを制した張に勝利の女神が微笑んだ。馬3 (11-8, 4-11, 11-13, 11-7, 11-2, 5-11, 10-12) 4張。
勝った後の張のパフォーマンスはいただけない。フェンスを蹴り上げ,馬と握手。今度は百のフェンスを蹴り上げ,ユニホームを客席に放り込んだ。蹴り上げたかったのは負けた馬のほうだったろう。この行為で優勝賞金4万5千ドルは没収となった。世界選手権優勝時のユニホーム破りさらには客席に駆け上がってのパフォーマンスといい,ロンドンオリンピック優勝時の表彰台へのキスといい,その前にしなければならないことがあるはずだ。相手への握手だ。背中と腕の入れ墨といい,評者の好きな選手ではない。
優勝賞金没収はそれなりのペナルティとはいえ,スポーツマンシップとして張の行為は褒められものではない。「どんなにうれしくても,悔しくても,相手と審判員に敬意を払うのがスポーツマンです」(日本卓球協会の啓発冊子の一文)。張にこの冊子を中国語にして読んでもらおう。