292大島,馬龍に惜敗(卓球ワールドツアー・中国オープン最終日)

ワールドツアー・中国オープン(8月5日〜9日,四川省成都)の男女シングルスの準決勝と決勝,男女ダブルスの決勝があった。
男子シングルス準決勝の大島祐哉(WR60)は第1シードで世界ランク1位の馬龍(MA Long,中国)と対戦し大金星寸前までいったが,3-4 (2-11, 7-11, 11-9, 11-9, 8-11, 11-8, 7-11) と惜しかった。第1ゲームを2ポイントしかとれなかったことがかえって幸いし持ち前の思い切りの良さが出始めた。2-3とリードされた第6ゲームは2-5の劣勢から連続6ポイントをとり完全に大島のペースになった。
最終ゲームを6-2とリードしたあと,勝ちを意識したかミス待ちの受け身になり馬に連続7ポイントで万事休す。ラリー戦での強打合戦はやや馬に分があったほかは互角以上の出来で最終ゲームの途中で馬も負けを覚悟したのではないかと思わせるプレーだった。
最終ゲームの5-2の馬のスマッシュミスで大島の勝ちを予想した。7-5のあとの大島のサーブミスで馬が完全に息を吹き返した感じだった。大きな大会の準決勝での戦いぶりは大島だけでなく日本男子チームに力を与えてくれることになった。
もうひとつの準決勝,樊振東対許しん(「日」に「斤」)も壮絶な打ち合いになった。中国スーパーリーグで24連勝中の樊にたいし,国際大会で4勝1敗と分のいい許が 4-3 (6-11, 11-5, 13-11, 6-11, 11-6, 9-11, 11-6) となんとか逃げ切った。
決勝の馬対許は,許に対して14勝6敗と勝率が優っている馬が強打の応酬を 4-1 (13-15, 11-4, 11-7, 12-10, 11-9) で制した。
馬,許,樊のすごさはすでに何度も見ている。この一角に食い込み3位入賞を果たした大島のプレーは今大会MVPに値する。
女子シングルス準決勝の石川佳純は丁寧にたいし,最初はバック対バックで優っていた。徐々にフォアの強打がループ一辺倒になり,丁寧のしゃがみ込みサーブにレシーブが浮き打ち込まれる展開になっていた。1-2となった第4ゲームを9-7から4ポイント連続で取られたのが痛かった。1-4 (11-9, 6-11, 3-11, 9-11, 3-11) と零封は免れた。
決勝で丁寧に勝った朱雨玲は丁寧の球筋を読んでのラリーから先に左右に振って強打を決めていた。この攻略は石川の対丁寧に生かせるはず。準々決勝の福原の戦いぶりも参考になるはずだ。丁寧戦10連敗になった石川にとって丁寧は万里の長城だ。
優勝した朱の準決勝(劉詩雯)と決勝(丁寧)でのラリー戦での強さが際立っていた。
男子ダブルスは樊・許ペア,女子ダブルスは陳夢・劉ペアが優勝した。