NHK「にっぽん紀行」「僕らの“まちの味”探して――島根 邑南町――」(→http://www4.nhk.or.jp/nipponkikou/x/2015-11-23/21/11260/2110170/)を観た。
島根県邑南町(おおなんちょう)のイタリアン・レストラン「 ajikura(味蔵)」を舞台に,有名料理長に憧れて集まった若き料理人が主人公だ。とある事情で辞めた料理長の味を引き継ぎ,地元の食材を生かすことができるのか。
この町については小田切本(関連エントリー参照)で知った。「田園回帰前線」の章で,実際の移住者の声とともに「「選ばれる地域」への取り組み」として邑南町が紹介されていた。そこでは邑南町が暮らし戦略としての「日本一の子育て村づくり」,産業戦略としての「A級グルメのまちづくり」,移住者戦略としての「徹底した移住者ケア」を持っていることに注目していた。
料理人に寄り添って邑南町の取り組みの輪郭が見え隠れしてはいたが,同町が進めてきた中学校卒業までの子どもの医療費の無料化,二人目からの保育料の無料化,公立邑智病院の産婦人科・小児科の設置,妊婦健診の無料化(16回まで),高校・大学進学の奨学金制度,過疎債の利用による基金積立,「町立・食の学校」の設立,地域おこし協力隊の役割,9名の職員がいる定住促進課,住宅供給など「風穴をあける邑南町」(町長のあるシンポジウムでの発言)は見えずらかった。25分の番組ではいたしかたないとは思いつつ料理人の成長物語になっていたと感じたのは評者だけではないはずだ。
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