385中国のネット通販の危うさ

NHKスペシャル「巨龍中国 14億人の消費革命――爆発的拡大!ネット通販――」を観た(→http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20170108)。
タオバオ村と言われる浙江省・青岩劉村のネット通販で成功を夢見る若者たちを追い,売上に一喜一憂する様を描いていた。6億人といわれる農村部での消費を内需拡大・構造転換の梃子にしようとする中国政府の「新たな農村」政策が背景にある。全土で4万ヶ所の通販拠点をおき,また,毎年10万キロ以上の道路新設で後押しする。
他方,アリババが構築したタオバオは20段階の評価システムによって通販業者のランクづけをおこない,購買者に届いた商品が返品されれば代金どころか「返現(ファンシェン)」(キャッシュバック)にも悩まされる。
ネット通販が265万人の雇用を生み出しているという中国。農村部での消費拡大が落ち着いた時,ネット通販の勢いは鈍化する。ネット通販が周辺部の消費を掘り起こしたことはまちがいないが,今後決済に電子マネーが普通になったとしても,実需要が最終的に通販を縛ることになるだろう。