114「ウィリアム・モリス――原風景でたどるデザインの軌跡――」展および図録


今日から愛媛県美術館で始まった(2017年1月7日〜2月12日,http://www.ehime-art.jp)。
「生活の美」の唱え,アーツ・アンド・クラフツ運動を先導したモリスの軌跡を,現代の写真とともに辿っていた。モリスの生涯と作品群を時系列で紹介するオーソドックスな展示だ。よく知られている壁紙やテキスタイルだけでなく晩年に取り組んだ理想本をもとめる書物芸術も見ることができた。ケルムスコット・プレスという私家版印刷工房からは1891年から98年の間に53点66巻が刊本された。最初の出版物『輝く平原の物語』やトマス・モア『ユートピア』(展示では大阪芸術大学蔵とあったが図録には記載がない)などがそうである。
モリスが社会主義思想に親近感をもち,古建築物保護や社会主義運動にかかわったことは解説で触れられていた。
福井市美術館(2017年2月25日〜3月26日,http://www.art.museum.city.fukui.fukui.jp)でも展示が予定されている。