ナチスの強制収容所でポンド紙幣の偽札づくり(「ベルンハルト作戦」)をさせられたアドルフ・ブルガーが亡くなった(2016年12月6日→http://www.asahi.com/articles/ASJDF3K3XJDFULPT001.html)。
ブルガーの著書 "Des Teufels Werkstatt" (熊河浩訳『ヒトラーの贋札――悪魔の工房――』朝日新聞社,2008年1月,[isbn:9784022503862])やそれをもとにした映画 "Die Fälscher" ("The Counterfeiters" [ASIN:B001AIRW7U]) で知られている。
印刷技師であったがゆえにガス室送りを免れ,否応なく偽札づくりを強制された。隔離された建物内で国家機密の「重要」な仕事を強制されながらも特別な技能をもつがゆえに特別扱いされる。その場面を象徴するのが著書でも映画でも触れられている卓球シーンである。この収容所が特別だったのかどうかはわからない。ただし,競技スポーツとしての卓球(ドイツ語で 'Tischtennis’)はナチス時代のドイツですでに確立していた。
ナチス政権前後にはすでに国際卓球連盟が設立され,国際大会も始まっている。1930年にはベルリンで第4回世界選手権大会が開催されてもいる。ドイツは第8回パリ大会(1934年)で女子団体優勝,翌第9回ウェンブリー大会女子団体3位,第10回プラハ大会(1936年)と第11回バーデン・バイ・ウィーン大会(1937年)で女子団体準優勝の記録が残っている。この時期は卓球はヨーロッパが中心でハンガリーやチェコスロバキアが強かった。
- 1年前のエントリー
- 黒川みどり・藤野豊著『差別の日本近現代史――包摂と排除のはざまで――』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20160109/1452348193
- 2年前のエントリー
- 森脇昭介著『松山 句碑めぐり』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20150109/1420813564
- 3年前のエントリー
- 森薗,浜本準決勝進出(卓球ワールドツアー・グランドファイナル)→https://akamac.hatenablog.com/entry/20140109/1389276767
- 4年前のエントリー
- 平成24年度「生命動態システム科学推進拠点」の実施機関の決定→https://akamac.hatenablog.com/entry/20130109/1357738819
- 5年前のエントリー
- 川島真著『近代国家への模索 1894-1925――シリーズ 中国現代史②――』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20120109/1326118647
- 6年前のエントリー
- 長尾真著『情報を読む力,学問する力』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20110109/1294584189
- 7年前のエントリー
- 大学犬はなちゃんの日常(その154)→https://akamac.hatenablog.com/entry/20100109/1263045702
- 8年前のエントリー
- 経済教育学会編『経済教育』第27号→https://akamac.hatenablog.com/entry/20090109/1231509727
- 大学犬はなちゃんの日常(その96)→https://akamac.hatenablog.com/entry/20090109/1231492875
- 9年前のエントリー
- 西尾久美子著『京都花街の経営学』→https://akamac.hatenablog.com/entry/20080109/1199867420
- 平田清明著作目録ブログ版(1966)→https://akamac.hatenablog.com/entry/20080109/1199867421