505ナチスの偽札づくりと卓球

ナチス強制収容所でポンド紙幣の偽札づくり(「ベルンハルト作戦」)をさせられたアドルフ・ブルガーが亡くなった(2016年12月6日→http://www.asahi.com/articles/ASJDF3K3XJDFULPT001.html)。
ブルガーの著書 "Des Teufels Werkstatt" (熊河浩訳『ヒトラーの贋札――悪魔の工房――』朝日新聞社,2008年1月,[isbn:9784022503862])やそれをもとにした映画 "Die Fälscher" ("The Counterfeiters" [ASIN:B001AIRW7U]) で知られている。
印刷技師であったがゆえにガス室送りを免れ,否応なく偽札づくりを強制された。隔離された建物内で国家機密の「重要」な仕事を強制されながらも特別な技能をもつがゆえに特別扱いされる。その場面を象徴するのが著書でも映画でも触れられている卓球シーンである。この収容所が特別だったのかどうかはわからない。ただし,競技スポーツとしての卓球(ドイツ語で 'Tischtennis’)はナチス時代のドイツですでに確立していた。
ナチス政権前後にはすでに国際卓球連盟が設立され,国際大会も始まっている。1930年にはベルリンで第4回世界選手権大会が開催されてもいる。ドイツは第8回パリ大会(1934年)で女子団体優勝,翌第9回ウェンブリー大会女子団体3位,第10回プラハ大会(1936年)と第11回バーデン・バイ・ウィーン大会(1937年)で女子団体準優勝の記録が残っている。この時期は卓球はヨーロッパが中心でハンガリーチェコスロバキアが強かった。